毎日私が臨床でお世話になっている「鍼」
基本的には1度使用したら、廃棄するディスポーザブルの医療用品です。
ためていた廃棄ボックスが満杯になり、通常ですと、業者さんに引き取りに来ていただくのですが、このまま廃棄するのも何だか申し訳ない気分になったので、供養していただく事にしました。
この量で、約1万名の方に使わせて頂いた鍼です。
この廃棄される鍼たちを眺めていると、様々な想いが蘇ってきました。
あの人の腰痛、この人のメンタル疾患、パーキンソン、顔面神経麻痺…。
様々な病や痛みに、僕の手先・道具として活躍してくれました。
これをただの「もの」「ゴミ」として廃棄するのは心残りです。
この鍼に宿った「念」をしっかりと昇華させてあげて、葬ってあげたいと思いました。
今回お願いしたのは、一鍼灸院から徒歩5分ほどの所にある「慈唱院」さん
私より少し年上のイケメン和尚さんです。
人生初の護摩行にわくわくドキドキ。
厳かな祝詞と共に、行が始まりました。
「陰陽五行の法をもって、人々の病苦を癒し…」
道具としての鍼は、ただの針金ですが、鍼職人や鍼灸師の手によって、さまざまな病に立ち向かう強力な武器となります。
役目を終えた鍼たちを称え、感謝する祝詞を聞いていると、私の心も癒され、すっきりとしました。
まるで、子どもの卒業式に出席しているかのような気分でした。
これからも、日々使う道具(鍼に限らず)を大切に、そして感謝して扱っていきたいと思います。
ありがとうございました。
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