はじめの一歩通信

はじめの一歩通信vol.76馬への憧れが私を鍼灸師にした理由 〜愛する家族とツボで繋がる優しい時間〜

はじめの一歩通信vol.76馬への憧れが私を鍼灸師にした理由 〜愛する家族とツボで繋がる優しい時間〜

今年は午年。馬は俊敏さ・行動力・情熱の象徴であり、物事が「うまくいく」と言われる縁起の良い動物です。私が馬と運命的な出会いを果たしたのも、24年前の午年のことでした。

当時、私はオーストラリアで競走馬の調教に従事していました。そこで目の当たりにしたのが、アスリートである競走馬たちに対する「鍼灸治療」の力です。

◆ 競走馬の世界で見た「鍼灸の力」 鍛え抜かれたサラブレッドたちは、まさに生きた芸術品です。しかし、その強靭な肉体も、激しいトレーニングやレースの負担によって、時には故障を抱えてしまいます。そんな馬たちの治療に鍼灸が用いられている光景は、私に大きな衝撃を与えました。

言葉を話せない彼らが、鍼を打たれることで痛みが和らぎ、張っていた筋肉がみるみる緩んでいく。そして表情までが穏やかになっていく姿は、今も忘れられない光景です。「自分の手で、痛みや不調に苦しむ命を救いたい」。その感動と決意が私を鍼灸の道へと導いてくれました。馬との出会いは、私の鍼灸師としての原点なのです。

◆ 現代社会とペットの健康 馬に限らず、私たちの身近な家族である犬や猫たちも、現代社会では様々なストレスや不調を抱えています。高齢化による関節痛、アトピーなどの皮膚疾患、消化器の不調、そして人間と同様に自律神経の乱れに悩む子も少なくありません。

彼らは言葉で「痛い」「苦しい」と訴えることができません。そのため、飼い主様が異変に気づいた時には、すでに症状が進行しているケースも多々あります。

獣医師による西洋医学的な治療はもちろん重要ですが、ご家庭でもできるケアがあります。ペットとのコミュニケーションの一環として、優しくツボに触れてあげることは、心身のバランスを整える大きな助けとなります。日々の触れ合いの中に、ぜひ「ツボ押し」を取り入れてみてください。

消化器のケアに「足三里(あしさんり)」

  • 場所: 後ろ足の膝のお皿の下、外側にあります。
  • 効果: 胃腸の働きを整え、食欲不振や消化不良のケアに。足腰の強化にも良いとされます。
  • 触り方: 親指の腹でゆっくりと圧をかけ、気持ちよさそうなら少し揉んであげましょう。

万能のツボ「合谷(ごうこく)」

  • 場所: 前足の親指と人差し指の骨が交わるところ。人間と同じです。
  • 効果: 鎮痛、鎮静作用があり、ストレス緩和や胃腸の不調、全身の気血の巡りを整えるのに役立つと言われています。
  • 触り方: 優しく指で揉むように。

ストレス緩和に「百会(ひゃくえ)」

  • 場所: 頭のてっぺん、耳を結んだ線と眉間から頭頂への線が交わるあたり。
  • 効果: リラックス効果が高く、興奮を鎮めたり、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
  • 触り方: 指の腹で優しく撫でるように、またはそっと触れるだけでOK。

腰の疲れに「環跳(かんちょう)」

  • 場所: 後ろ足の付け根のくぼみ。
  • 効果: 腰や股関節の痛みの緩和、後ろ足の動きをスムーズにする助けになります。
  • 触り方: 大型犬なら手のひらで、小型犬なら指の腹でゆっくりと円を描くようにマッサージ。
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