今年の夏は、季節外れのインフルエンザが猛威を振るい、コロナ第9波と感染症とお付き合いをする日々が続きます。マスク、ワクチン、消毒と様々な感染症対策がありますが、私が日々行っている感染症対策は、食事、睡眠、運動、そしてお灸です。今回はお灸についてお話しさせていただきます。
直接灸
一般的にお灸というと、シールがついていて、ほんのり温かい「温灸」を指すことが多いのですが、免疫力を高めるのには「直接灸」が有効です。もぐさを米粒くらいの大きさに捻り、直接皮膚の上にのせて火をつけます。ジワーっと熱が広がり最後にチクッとした感覚があり火が消えます。直接灸の温度は約70度、施灸箇所は小さな火傷ができ、この火傷が免疫力の維持向上に大事な役割を果たします。手足の基本穴4箇所に週2回、4週間を1クールとして続けます。
直接灸のエビデンス
直接灸の火傷が免疫細胞にどう働きかけるのかを調べた研究があります。宝塚医療大学の中村教授の研究によると、直接灸により、8つのツボにに3回づつ、週2回、2週間刺激したところ、白血球23%、好中球39%、リンパ球5%の増加があったそうです。お灸による小火傷が免疫細胞を増やし、感染症や病気の予防になる大きなエビデンスが示されました。
実際の活用
直接灸は、千何百年前から健康維持、病気平癒に用いられてきた方法です。最近では、「モグサアフリカ」という団体が、アフリカ・ウガンダで結核の患者さんにお灸を教えて、大きな成果を上げています。日本では、臭いや火傷の問題で直接灸をする機会が減りましたが、非常に安価で効果の高いお灸を見直し、試してみてはいかがでしょうか?
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