椎骨のすべりによる腰痛です。
症状と原因
すべり症」はその名の通り、背骨が前方もしくは後方にすべる症状です。
通常は緩やかな前方へのカーブを描いて連なる腰椎ですが、急激な伸展や衝撃、もしくは不良姿勢の積み重ねや加齢による靱帯の緩みなどですべる事があります。
また、椎骨がすべる時に骨折を伴う「分離症」もすべり症に含まれます。
- 若年層→スポーツ(特にテニスのサーブの様に腰を伸ばす動き)による繰り返す負荷が原因となり発症することが多いです。急性で激痛を伴います。
- 成年以降→急激な痛みは少なく、腰の重だるさや突っ張りといった症状が主です。
診断と治療
すべり症の診断はレントゲン撮影によりはっきりと解ります。腰の骨を注意深く観察すると不正列(一ヶ所だけ落ち込んでいる)がみられる事があれば疑ってみる事が必要です。
急性期であれば、骨癒合を目指した保存療法が主となりますが、慢性期の場合はそれ以上すべらない様な姿勢改善とトレーニングが重要となってきます。
レントゲンですべり症と診断されても、すべり症自体が腰痛の原因で無い事も多くありますが、進行すると下肢の痺れなどを引き起こす可能性もありますので注意が必要です。
腰椎5番のすべり症の症例(58歳主婦)
若いころから腰痛持ちで長く歩いたり、掃除機をかけたりすると腰が痛む。病院にいき、レントゲンを撮り、すべり症との診断をうけた。シップを処方されたが良くならないので来院した。
周りからは姿勢が良いといわれて本人もそのつもりでしたが、姿勢分析では骨盤の前傾が強い姿勢ということが解りました。腰椎5番に負担をかけている背骨と骨盤の調整を行い、腰を前に引っ張っている筋肉(腸腰筋・大腿直筋)を緩める治療を行いました。5回通院して頂きましたが今では掃除機をかけても気にならず、旅行にも出かけておられるようです。
中年以降の女性に多い典型的な症例です。もしかして?と思われた方はご相談下さい。
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