82歳の女性の症例です。
来院する1ヶ月前から腰の違和感があり、ゴミ出しや中腰が続くと腰に痛みを感じるようになりました。放っておくと良くなるのであまり気にせずにいたところ、来院1週間前の起床時に腰に非常に強い痛みを感じました。
急いで整形外科を受診し、レントゲン検査などを行いました。
「背骨のゆがみと関節が狭くなって神経を圧迫した痛みです」
と告げられ、痛み止めのブロック注射、点滴、ボルタレン座薬を数日続けましたが痛みは変わらず、胃腸の違和感が強く出たことから治療の継続に不安を覚え、当院に来院されました。
検査
来院時は腰をくの字に折り曲げた状態で痛みの為か、脊椎の側弯もありました。
腰部の前後屈、側屈に痛みがあり、特にケンプテストで痛みが強く出現しました。
股関節の屈曲も強く、腸腰筋部に強い圧痛がみられました。
脊椎の叩打痛や神経的な初見はありませんでした。
治療
まずは過緊張して動かせない腰部、股関節の筋緊張を取るために、トリガーポイントへの針治療を行いました。
少し腰が伸ばせるようになった所で脊椎の可動域を広げる整体治療を行い、仰向けで寝ることができました。
股関節の屈曲筋である腸腰筋の筋膜リリース、PNFを行い、1回目の治療を終了しました。
その日の夜はよく眠れた様で、すっきりした顔で次の日に来院されました。
腰部の痛みも、右側に限局し、VAS(ビジュアルアナログスケール・痛みの指標)も4/10まで落ちていました。
5回目(2週間)後には痛みもほぼ収まり、山の上の寺院までお参りに行き、筋肉痛を訴えておられました。
その後、以前から気になっていた膝の痛みや円背姿勢の治療を行ったり、昔から続けている薙刀の奉納演舞にむけたコンディショニングの治療を継続しています。
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