はじめの一歩通信vol12。
今回は、訴えの多い睡眠障害について取り上げてみました。
「5人に1人が抱える睡眠障害」
誰にとっても大切な「睡眠」。1日活動した脳や体の疲労の回復やストレスの解消、壊れた組織の修復、病気への抵抗力の強化、記憶の定着など、睡眠の質は、私たちの人生を左右するといっても過言ではありません。しかし、現代人の5人に1人は、なんらかの睡眠時の障害を抱えているといわれています。
睡眠障害の種類
- 寝つきに30分以上かかる「入眠障害」
- 夜中に何度も目がさめる「中途覚醒」
- 明け方に目が覚めて、再び寝付けない「早朝覚醒」
- 深く眠った満足感が得られない「熟眠障害」
- 体内時計が正常に作動しなくなり、夜中に起きて、昼間に眠くなる「概日リズム睡眠障害」
- その他「睡眠時無呼吸症候群」「過眠症」「むずむず脚症候群」など、様々な種類の睡眠障害があります。
睡眠不足による体への影響
睡眠不足が慢性化すると様々な体や心への影響が現れ始めます。
- ストレスが溜まる
- 肌荒れ、しわ、顔がたるむ
- 太りやすくなる
- 疲れがとれない
- 集中力と判断力の低下
- 感情の起伏が激しくなる
- コミュニケーション能力の低下
- 怪我、痛みが治りにくい
- 学習能力や記憶力、集中力の低下
- うつ、自律神経障害などが考えられます。
質の高い睡眠と体のリズム
私たちの体には体内時計があり、地球の自転・時間の経過に応じて活動(覚醒)と休息(睡眠)を行っています。朝、目覚めて太陽光を浴びると「メラトニン」という睡眠ホルモンが、14~16時間後に分泌がされるようなスイッチが入ります。
また、自律神経の働きも睡眠と深い関係が認められています。
体を活動させる神経である「交感神経」は、午後3時~夕方にかけてピークを迎え、午後8時~10時頃には体を休める神経である「副交感神経」優位な状態に切り替わります。この神経のリズムに合わせた生活環境を整えることで、無理なく質の良い睡眠が得られるのです。
睡眠障害と鍼灸治療
睡眠障害には様々な種類があり、原因も様々です。
不眠や中途覚醒の方のカラダを診ていくと、何かしらカラダからの訴えが出ています。「痛み」「不快感」「冷え」「のぼせ」等、そういったカラダの訴えに対して治療を行い、生活習慣を見直すことで睡眠リズムに則したカラダとなり、眠りの質も高まります。
眠れない夜は「なぜ眠れないのか?」と理由を悶々と考えるのではなく、自身のカラダを観察し、カラダの訴えに従って冷えていたら温める、不快感があればさすったり、お灸をしたり、自分でできる「手当」を行ってみてはいかがでしょうか?
睡眠改善5つのポイント
毎日同じ時間に起きる
就寝に向けての体の準備は、朝目覚めた時から始まります。
就寝時間がいつもより遅くなったり、少々疲れていても、起床時間が大幅にずれないようにし、起きたら朝日を体いっぱいにあびるようにしましょう。
就寝前の交感神経刺激をさける
就寝2〜3時間前は、副交感神経が優位に働き、体温が徐々にさがり入眠に向けての準備の時間です。
- 食事は就寝3時間前に済ませる
- カフェインの摂取を控える
- 運動を控える
- 熱いお風呂に入らない
- パソコンやテレビの光刺激を避ける
- 深酒をしないなど、脳とカラダを休ませる工夫をしましょう。
日中の適度な運動
午後3 時〜夕方のカラダの体温が上がるタイミングに適度な運動を行い、体温上昇の手助けをすることが、就寝時に最適なカラダのリズムを作る手助けになります。
1 日1 度はウォーキングや体操など、心拍数が少しあがる程度の運動を行いましょう。
食事内容を見直す
食事と睡眠は密接な関係があります。
バランスよく摂る食事は、自律神経を整え、睡眠に必要なホルモンの分泌を促します。
また、刺激の強い食物は交感神経を刺激し、消化の悪い食物は胃腸に負荷をかけ、悪影響を及ぼすことがあるので避けましょう。就寝3時間前に食事を済ませることも大切です。
自分なりのリラックス法を
カラダの冷えや痛み・不快感は、睡眠リズムにうまく乗れない原因となります。
治療も必要ですが、自分なりのリラックス法を持つことをお勧めします。呼吸法、足湯アロマ、ストレッチ、お灸など、日々の習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか?
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