研修会・学術資料

再生医学と鍼灸

鍼灸というと、鍼やモグサを使って職人が手仕事で東洋医学思想に基づいて治療を行う、古風なイメージが定着していますが、実は最先端の研究も行われています。

神戸三宮で行われた全日本鍼灸学会に参加をし、講演を聴講してきました。様々な演題がある中で、特に今回心に残ったのが「再生医学と鍼灸」神経、骨、靭帯、筋肉、血管について、鍼が組織の再生にどのように影響を及ぼすのかを発表していただきました。

末梢神経の再生促進 宝塚医療大学 井上基浩教授

末梢神経損傷を起こしたラットを用い、直流電気刺激による介入を行い、神経再生速度の促進が確認された。電極の方向(陰極or陽極)により全く異なる結果が起こり、末梢側を陰極とする通電方法で促進、陽極とする通電方法で遅延が起こった。

さらに井上教授らは、人体への応用実験も行っており、人体においても神経再生促進の効果が確認されています。

骨癒合の促進 京都四条烏丸鍼灸院 中島美和先生

末梢神経再生促進の実験において、陰極側に新生骨形成が発見され、骨癒合促進の可能性を感じ、実験を開始されたそうです。

ラットの骨折モデルに骨折部を陰極とした末梢陰極直流通電を行い、顕著な骨癒合促進が認められた。

画像で骨癒合比較の写真を見せていただきましたが、明らかな違いに驚きと興奮を感じました。

その他、腱癒合促進、骨格筋再生、血管新生なども非常に興味深いテーマを提示していただき、我々の鍼灸治療の新たな可能性を感じられた発表となりました。

臨床応用はもう少し時間が必要かもしれませんが、これらの治療技術が治療現場に投入されたら難病で苦しむ方や、脳梗塞、難治性の骨折、外傷、アスリートの現場早期復帰など、恩恵を被る方は非常に多いと考えます。

私もアンテナを張り巡らせ、実践できる時が来たら取り入れたいと思います。

今回の学会は、コロナ5類以降初ということもあり、非常に活気のある学会でした。満員の立ち見での聴講や、ノーマスクでの懇親会など、楽しく、また全国から来られた先生方と深い交流ができました。

今後もしっかりと学び続け、将来は、自分の臨床を発表できるようになればいいなとも思っています。

来年は仙台での開催です。

 

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