昨日の続きです・・・。
最近では広く知られてきた「トリガーポイント」
私達鍼灸師のみならず、医師の間でも「トリガーポイントブロック」などとして使われているようです。 明治国際医療大学の伊藤和憲先生の講義です。
痛みには「慢性痛」と「急性痛」があります。
原因があり、組織損傷や器質的なダメージで起こる「急性痛」に対し、外傷の治癒する期間を越えても持続する疼痛を「慢性痛」と呼びます。
この慢性痛は痛みの原因がはっきりとしておらず、神経症状や精神症状など多彩な症状が出現し、痛みの悪循環を引き起こしていることが多いようです。
また、頭が痛くても原因は首にあるといったような「関連痛」を引き起こす事が多く、痛みのある頭に対して治療を行っても全く効果が得られない事が多いようです。
そこで最近注目されている治療方法が「トリガーポイント」
慢性痛の原因の多くが筋肉にある事に注目し、痛みを引き起こす原因筋(トリガー)を治療する方法です。
トリガーポイントの治療は・・・
1、体を曲げたり伸ばしたりし、痛みの出る方向を探す。
2、痛みの出る方向で働く筋肉(屈曲方向に多い)を特定しその筋肉の中の索状硬結(長細い筋肉のコリ)を探る。
3、索状硬結を斜めから押してみて、症状と同じ部位での症状の再現を確かめる。
4、鍼を刺入して索状硬結の筋膜の上で留める(ピクッという単収縮を確認)。
簡単に記述するとこのようなことでした。 私も伊藤先生の講義は何度も聞いた事がありますが、毎回アップデートされていて、先生の治療や研究に対する真肇さに脱帽します。
トリガーポイントは日々の臨床の中でも良く使わせて頂く手技ですが非常に効果があり、局所を触っていないのに症状がとれたりすることで驚かれる事が多いです。
他にも最近注目されて難病と名高い「線維筋痛症」にも触れていました。
これも慢性痛の一つで筋肉の痛みやコリが治りきらないで進行して発症する病気であることから、鍼治療など、筋肉の治療を行っていくことで症状の改善が期待できる疾患の一つという内容の発表をされていました。
前述の牛田先生と共に、非常に内容の濃い発表で、私も深めるべきテーマが見つかり有意義な日曜日となりました。
来院された皆様、今回の内容にご興味があれば少し時間を取ってお話させて頂きますのでお申し出ください。
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