20〜60才の6割以上の女性が経験しています
「夜に何度もトイレで目がさめる」「急にトイレに行きたくなったが間に合わなかった」
年齢にかかわらず、6割くらいの方が経験している尿漏れ。しかし、恥ずかしさや問題意識の低さで相談する方は少ないそうです。
腹圧性尿失禁
重い荷物を持ち上げたり、ジャンプ、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。
女性の尿失禁の中で最も多く、週1回以上経験している女性は500万人以上といわれています。これは骨盤底筋群という骨盤底の筋肉が緩むために起こり、加齢や出産、排便時の強いいきみなどがリスクとなります。
切迫性尿失禁
急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。
脳血管障害などによりそのコントロールがうまくいかなくなった時など原因が明らかなこともありますが、多くの場合、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感や切迫性尿失禁をきたしてしまいます。男性では前立腺肥大症、女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因になります。
溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が少しずつ漏れ出てしまうのが溢流性尿失禁です。
前立腺肥大など尿が出にくくなる排尿障害が前提にあり、男性に多くみられます。直腸癌や子宮癌の手術後などに膀胱周囲の神経の機能が低下してしまっている場合にもみられます。
尿漏れの解決方法
明らかな原因(脳血管障害や神経障害など)がない場合は、生活習慣の改善やトレーニング、鍼灸などのケアで改善するケースが多くあります。
- 水分の摂り方やカフェイン・アルコールの摂り方
- 足のムクミの対処
- 骨盤底筋・下肢筋力の強化
- 姿勢の改善
- 膀胱トレーニング
- 冷え対策
- 仙骨神経・陰部神経などへの効果的な刺激
など多岐にわたりますが、その人にあった方法で対処する事が大切です。
尿トラブルをお持ちの方は、恥ずかしがらずにご相談くださいね。
骨盤底筋群のトレーニング
骨盤底筋群とは、骨盤の底を支える筋群です。
内臓が下がるのを予防し、尿道を締めて失禁予防に重要な筋群です。
- 仰向けに寝て膝を立て、足を肩幅に開きます
- 肛門、尿道、膣を締め、陰部全体を引き上げるように締め上げます
- 締める・リラックスするを3秒毎の間隔で繰り返します
- 最初は5分くらいから始め、慣れてきたら10分くらいに伸ばしたり、10秒、20秒と間隔をのばしてみましょう
- お尻を持ち上げて、ブリッジの姿勢で行っても意識しやすいと思います
寝ての練習でイメージがつかめたら、体育座り、椅子に座って、立ってなど、色んな体位で練習してみましょう。
陰部を引き締めるイメージがつかみにくい方は、膣に指を入れて締めてみたり、トレーニンググッズを使うと効果的です。
骨盤底筋群のトレーニングだけでなく、お腹、お尻、太もも、ふくらはぎの筋トレや、立ち方や座り方などの姿勢も重要な要素です。トータルで考えて失禁予防に取り組みましょう。
会陰部刺激で頻尿予防
頻尿や失禁で問題となる膀胱の過活動。
膀胱に少し尿が溜まっただけで尿意を感じて何度もトイレに行きたくなります。
最近の研究で、会陰部への優しい刺激が、膀胱への副交感神経を遮断して膀胱の過活動を抑える事がわかってきました。
専用のローラーなども販売されていますし、ティッシュで作ったコヨリや、指などでやさしく刺激をしてみましょう。
夜間頻尿の仕組み
夜間頻尿の多くは、足のムクミが原因となります。
- 日中、足がムクんで水分が溜まる
- 寝ている間に水分が心臓に戻る
- たくさんの水分が心臓に戻り、血圧が高くなったと判断し、利尿ホルモンを出す
- 尿量が増え、トイレに行きたくなる
ムクミ対策として、下肢筋力をしっかりとつけ、ふくらはぎなどの筋ポンプをしっかりと働かせて予防しましょう。
お家に帰ったら、就寝2時間前には入浴を済ませ、仰向けに寝て、30分位リラックスする時間をとってください。
足に溜まった水分がおしっことなり、排尿してから就寝するように心がけてください。
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