今回は、神経が圧迫される事により起こる神経障害のお話です。
神経は、脳からの信号を全身の筋肉や臓器に伝えたり、反対にカラダの状態を脳に伝える通信の役割をもっています。
カラダの隅々まで走っている神経ですが、強い圧迫や、外傷などにより信号が送れない状態になり、痛みやしびれ、知覚鈍麻、運動機能低下などが起きる事があります。
お恥ずかしい話ですが、私も最近、うたた寝をしてしまい、起きたら手が動かなくなる橈骨神経障害を起こしてしまいました。
幸いにも、早期に回復をしましたが、一時は殆ど手が動かなくなる事態に…。
持続的な圧迫
同じ場所に持続的な圧迫がかかる事により、起こります。
- 足を組んで長時間座る→組んでいる上の足の膝裏の神経が圧迫を受け、ふくらはぎや足への痺れや筋力低下が起きることがあります。
- 肘まくらで寝る→「ハネムーンシンドローム」の名前で有名ですが、上腕の外側の神経が圧迫を受ける事で、起きたら手が動かなくなることに…。
- レジ袋を肘にかけて長時間の買い物など→肘の前面や内側にレジ袋が食い込み、神経を圧迫します。手のひらや小指などに痺れを起こします。
急な衝撃
神経に急激な圧迫や、牽引力がかかる事により起こります。
交通事故によるムチウチ→衝突による衝撃で、頭が前後に激しく揺さぶられ、頚椎に負担がかかることで起こります。数日立ってから出てくる神経症状は、筋肉性、自律神経性の物が多いようです。
くしゃみ→くしゃみによる頚椎や腰椎への負荷は中々の破壊力があります。くしゃみをする時には、座ったり、壁に手をつくなど、体を安定させてから行いましょう。
手を急に引っ張られる→過度な神経の牽引は、神経損傷を起こします。
寒さ
持続的な冷房の風や、温かい部屋から寒い外へ出た時、冷たい物を食べた時など、寒冷刺激により抹消の血流や神経伝達が悪くなり機能低下が起きます。
冷房の風に当たり続けて顔面神経麻痺のパターンも多い印象があります。
同じ動きを繰り返す
毎日同じ方向のテレビを見ている、一日中同じ作業をしている、ラケットを振る・ボールを投げる等の動作や、切れない包丁で料理をするなど、一回一回は小さな負荷ですが、積み重なると大きな負荷となり、圧迫や損傷を引き起こします。
姿勢の崩れ
足のアーチが崩れたり、膝や腰が伸びない、猫背、側弯など、姿勢の崩れと共に神経、血流への負荷が大きくなります。
ストレス
精神的なストレスは持続的にカラダを緊張させ、神経の循環不全を引き起こします。
内科的な疾患
糖尿病や循環器疾患など、神経や血管の機能障害を引き起こす病気も痺れや筋力低下などを引き起こします。
軽い神経障害(正座をしていて足が痺れた・一時的に力が入らない等)であれば自然回復をする事が多いのですが、少し待っても痺れ、筋力低下、知覚異常、痛みなどが変わらない様であれば、すぐに医療機関を受診してください。
神経障害は、時間が経つ程に治りが悪くなります。
意外と身近に起こりうる神経障害を知り、予防に活かしてください。
正座と痺れの関係
畳での生活が少なくなり、正座をする機会も減ってきた今日この頃ですが、法事やお茶、お花のお稽古、大事なご挨拶など、まだまだ正座をする機会は多くあります。こんな時に気になるのは「足の痺れ」。この痺れも一種の「神経障害」と言えるのかもしれません。
正座をすると、膝の下、足の甲の血管や神経が圧迫を受け、ふくらはぎや足への血流が少なくなります。
血流が悪くなった筋肉や神経が緊張&興奮をし、信号を発する為に、痺れや痛みといった症状が起こるのです。
予防する為には膝裏での圧迫を防ぐ事。
お尻の下に座布団を入れて膝の角度を浅くしたり、踵を外側に向けておしりをスポッと入れる事で圧迫力が軽減され、痺れにくい正座ができるのです。
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