腰部・臀部の症状

腰が伸びない腰痛~腸骨筋パターン~

腰の痛みは症状も原因もさまざまです。今回は、画像所見や内臓に異常がなく、腰が伸びにくいタイプの腰痛の症例報告をします。

来院された患者さんは70代男性、小太りで座る事の多い生活をされています。尿管結石の既往ががあり、2年前に摘出手術を受けていました。

半年前から腰の痛みが出現し、来院2週間前に腰部全体の強い痛みを感じました。尿管結石の再発を疑い、病院で検査するも陰性で、精密CTで内臓スキャンを行いましたが異常はありませんでした。脊柱管狭窄症を疑い、整形外科を受診するも異常がなく、鎮痛剤で何とか耐えながら生活をされていました。

起床時、座位から立位時、歩行時に痛みが強く、前かがみになると症状が緩解します。後屈で腰部の痛みと共に、下肢痛(右>左)が出現しました。

徒手検査では、2~4腰椎棘突起の圧痛(右>左)、後屈不可、側屈痛(伸張側)、腰背腱膜~腸骨部の圧痛(右>左)がありました。下肢神経反射や血流に異常は無く、歩行検査では、骨盤SWAY(側方への動揺)が認められました。

治療

このようなケースを見る時に最初に注目すべきは、楽になる動きと、痛みが増悪する動きの確認です。

  • 前屈すると楽になる
  • 後屈すると痛くなる

下肢痛や内科疾患を抱えている方だとそちらに目が行きがちですが、まずは単純なところから注目すると上手くいくことが多いです。

  • 前屈すると楽になる→腹部や骨盤周囲の前方の組織が緩むと楽になる
  • 後屈すると痛くなる→腹部や骨盤周囲の前方の組織が牽引されるか、腰部、臀部、脊椎の組織に圧迫がかかると痛くなる

今回は、腸腰筋に主眼をおいて施術を行ってみました。

腰部が屈曲状態で腹臥位(うつ伏せ)が取れるボディークッションを使い背部から大腰筋、小殿筋、腰方形筋へ刺鍼しました。

ある程度緩んだところで、抜鍼し、グラストンテクニックで腰背部、臀部のリリースを行いました。

施術後は腰も伸び、歩行も快適そうでした。

が、2日後の来院時に様子を伺うと、当日は夜まで楽だったが、次の日の朝はいつもと痛みが変わらず、腰が伸びなかったそうです。

アプローチを替えて、股関節前方から腸骨筋を狙う事にしました。

仰向けになって頂くと、股関節が伸び切らず、膝が浮いています。

鼠径部から腸骨筋に刺鍼し、通電を行いました。この時、股関節の屈曲動作が出るのが重要です。

抜針後は、グラストンテクニックによる腸骨筋、大腿筋膜張筋、大腿直筋などのリリースを行いました。

施術後の第一声は「痛くなる前位に腰が伸びた」

との事でした。そしてストレッチや座り方の諸注意をお伝えしてました。

後日お伺いした所、次の朝の起床時も痛みが無く、腰が伸びた状態が続いているそうです。

当院での痛みに対する治療の流れとしては

  1. 問診や検査で、鍼灸治療適応疾患有無を確認する
  2. 痛みの出る動作や圧痛などから痛みの原因を特定
  3. 姿勢や歩行検査、生活動作から痛みの原因を特定
  4. 治療部位を絞って施術
  5. ④で結果が出なければ、刺激箇所や刺激量を替えて施術
  6. 痛みが緩和されてきたら、身体の安定、再発防止のトレーニングやストレッチ、動作の改善を行う。

という流れで施術を行っています。

3回施術をして、痛みの緩和や変化などが見られなかったら、治療の方向を変えるか、専門の先生に精査をお願いするなどの対応を取っています。

 

 

 

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