腰部・臀部の症状

長引いた腰痛、ヘルニア?それとも…

長引いた腰痛、ヘルニア?それとも…

「今年の2月ころから腰が痛くなって、整骨院や整形外科などいろいろ行ったのですが良くならないんです」

7月の始めに来院されたAさん(仮名)は、まだ30代でしっかりとした体つきですが、腰を折り曲げ、足を引きずっています。

腰から下肢にかけての痛みが強くなり、整骨院での冷却治療や電気治療、マッサージ、鍼灸院での電気鍼、カイロプラクティック院でのマニュピレーション治療、整形外科での投薬、注射、運動療法、ヘルニアと診断されて椎間板高周波熱凝固療法の治療も受けたそうですが改善が見られなかったようです。

仕事中も座っていると激痛がやってきて、なんども寝ころばないと仕事ができなかったり、コンビニでの買い物も歩行困難のため、ままならない状態の様です。

徒手検査では、ヘルニアの兆候は薄かったのですが、腰をどの方向に動かしても腰部や臀部、下肢への痛みやしびれ感があり、特に左の仙腸関節から腰部にかけての動きがほとんど見られませんでした。

鍼治療や、徒手療法でひとつづつ症状を減らし、動かせる範囲を増やしていきましたが、いまひとつパッとしない状態が続いていました。

私は診療中に色んなお話を聞くのが好きで、話し好きの患者さんとでしたら1時間の治療時間中、ずっと話をしている事もあります。

色んな話をしている中で、腰を痛める前に好きだった筋トレの話になりました。

「スクワットをしていた時に、ブチっという音がしたことがあって…」

その話を聞いた途端に、ピンとくるものがあり、音がしたという、左の太ももを触らせて頂きました。

するとそこには以前肉離れがあったであろうしこりが残っていました。

その場所を丁寧にリリースしてみると…

「痛くありません!腰も曲がります!」

との事でした。ご本人も気づいていなかったようなのですが、スクワット中に肉離れを起こし、その引きつりがこの長引く腰痛を引き起こしていた物と推察されました。

「MRIではしっかりとヘルニアが写っていて、手術までしたのですが…」

無症状のヘルニアや椎間狭窄などは沢山の方に見られます。今回たまたま症状のある部位の神経根部にヘルニアが写っていた事で、原因はヘルニアと診断されたものと思われます。そして、その後受診した整骨院、鍼灸院、整形外科、民間療法なども、「ヘルニア手術適応」という言葉が頭から離れず、太ももに残る肉離れの痕跡に行きつかなかったのだと思われます。

私も当初はそうでした。

丁寧な病歴聴取、検査、対話から本人が気づかない過去の出来事にスポットを当て、治癒に導くのが我々の仕事です。

今回の反省と共に、問診力をもっと高めるべく学びを深めたいと思います。

最近は来院されていませんが、Aさんから紹介されて来院された方からは、元気に仕事をされていますとの報告をいただきました。

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