一昨日、鍼灸師としては非常にショッキングなニュースが飛び込んできました。
23日、ソフトバンクの松本祐樹投手が、腰に鍼治療を受け、針が折れ、体内に残ったため病院で手術で埋没した鍼を取り除いた。
開幕直前のこの事故は、本人や関係者はもちろん、野球ファンや我々鍼灸師にも大きな衝撃を与えています。
ネットのコメントでは、
「鍼は危ない」
との声も多く寄せられていますが果たして鍼の安全性は?
私が普段使う日本製の鍼で実験してみました
いかがでしょうか?私たちが普段使う「はり」は非常に細い金属でできていますが、しなりがあり、たいへん丈夫なのです。
通常の使い方をする分にはまず折れることはありません。
私も免許取得をして14年になり、年間1~2万本鍼を打ちますが、一度も折れた事はありません。
国内の鍼の医療事故報告でも非常にまれなケースでもあります。
なのに、なぜこのような事故が起こってしまったのか?
報告を待たないと詳細はわかりませんが
- 細い鍼で長時間の鍼通電を行った(金属腐食)
- 深く鍼を刺し、急激な筋収縮が起こった(アクシデント)
- 運動鍼(鍼を筋肉に刺しながら運動を行う手技)をし、刺鍼方向が筋繊維に沿っていなかった(手技の未熟)
- 粗悪な鍼の使用や使い捨て、単回使用の鍼を使っていなかった
- 鍼が抜けなくなり、強引に引き抜こうとした(手技の未熟)
我々鍼灸師会などに所属している鍼灸師は、毎年リスクマネージメント研修など、技術や知識だけでなく、安全性やリスク管理の研修を受講しています。
その中で上記のような事は基礎知識として学び、身に着けています。
体内に鍼を刺入するという医療行為である以上、ある程度のリスクや危険度はあるのですが、ちゃんとした手順、方法をもって行えば非常に安全な治療行為ともいえると思います。
今回はトップ選手に起きた事故だけに非常に大きな波紋が広がっていますが、鍼灸治療を受けている皆様には、安心できる鍼灸師を選んで、健康管理を続けて欲しいと願うばかりです。
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