昨晩のNHK「ためしてガッテン」で鍼灸が取り上げられました。
昨年から、東洋医学、鍼灸がテレビや新聞などで取り上げられる機会が増え、関係者としては喜ばしく感じています。
今回の番組では
- ツボについて、鍼のシステム
- 中国での鍼治療
- 災害現場での鍼治療
- 筋膜とツボの関係
- 動物鍼灸
- 頸部痛、逆子、痺れ、妊婦さんの鍼治療
- 離れた場所でも作用する鍼治療
- 様々な種類の鍼
- 経絡現象
- アイスマン(3000年前の氷河から見つかった遺体)から考えるツボ
- 保険診療と鍼灸
などなど、鍼灸を限られた時間内でまとめようと苦労された様子がありありと感じました。
私達プロから見るとツッコミどころ満載の番組なのですが、鍼灸をこのような形で取り上げられることは非常に好意的に捉えています。
大昔から日本人の健康を担ってきた鍼灸医療ですが、戦後、GHQの元で「怪しげな民間医療」として禁止され、一時期は消滅しかけたこともありました。
世間の厳しい風の中、先輩鍼灸師や、鍼灸治療を愛する患者さん、有識者に支えられ、細々と技術が伝承され、今に至ります。
最近までのメディアでの鍼灸の取り上げ方としては、
「針が体に刺さってる~!ギャー」
のような色者扱いで、この番組のように、医療として、正面から捉えるものは少なかったです。
今後、このような番組が増えていくことが予想されますが、解説者として登場されていた先生方も説明に苦労されていました。「鍼灸とは何か?」が改めて問われている気がします。
番組内で、経絡の説明をしているとき、
「エネルギーの通り道」「気」といった言葉がでると、「なんかツボでも買わされたりしないでしょうね?」
といったコメントもありましたが、
「怪しい」「不信感がある」
といった印象が世間一般にあることも事実です。
しかし、こういった番組をみて、興味をもった方が治療院を訪れ、鍼灸治療を受ける。
そして、「なんだかわからないけど楽になった」「いいかも」と思って貰えて、今後も体のメンテナンスや治療の選択肢として鍼灸を選んでいただければいいなと思います。
一言で「鍼灸」といっても様々な治療形態、治療方法があり、100人鍼灸師がいれば、100通りの鍼灸治療があるといっても過言ではありません。
私達一人ひとりが鍼灸の素晴らしさを伝え、メジャーな医療として、この国で認知されるよう、これからも努力していきたいと思います。
見逃した方は、オンデマンドでも見れますので御覧ください。
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