腰部・臀部の症状

パーキンソン氏病と腰痛

パーキンソン氏病とは、脳内の黒質という場所にある神経細胞が変性し、「ドーパミン」という神経伝達物質が減少することにより、脳から全身に出される運動の指令がうまく伝わらなくなる病気です。

50~60歳代で発症することが多く、今後ますます増える傾向にあります。スクリーンショット 2015-06-17 22.07.19

パーキンソン氏病による運動症状として、

  • 振戦(手や足のふるえ)
  • 無動(動きが遅くなる)
  • 固縮(筋肉がかたくなってこわばり、関節の曲げ伸ばしに抵抗がある)
  • 姿勢反射障害(体のバランスがとりにくくなる)

などが現れます。

振戦や固縮により、筋肉が硬くなり、腰痛、膝痛、肩こりなど、運動器の障害を起こしやすく、無動や姿勢反射障害による運動能力の低下が顕著で、継続的なリハビリが欠かせない病気です。

先日、75歳のパーキンソン病のBさん(仮名)が来院されました。

15年前に診断を受け、薬物療法での症状のコントロールを受けてこられました。

姿勢反射障害により、正常な姿勢保持が困難で、来院された時は、腰を前方に曲げて入って来られました。

主訴は「腰痛」

右足大腿部後面(坐骨結節部)が痛くて歩けないとの事でした。

痛みのある部位を触ってみると、大臀筋、大腿二頭筋がカチカチに緊張しています。

もう少し深く触ってみると、坐骨結節部に限局した強い痛みがあり、炎症があるようでした。背中

Bさんの姿勢は、腰部に大きな左凸のカーブがあり、右前方に傾いた状態です。

大きく傾いた上体を支える為に、右足が常に踏ん張った状態になり、筋肉の付着部である坐骨結節滑液胞の炎症を引き起こしたものと思われました。

治療は、坐骨結節に直接付着する筋や、筋膜で繋がる筋を緩めながら、滑液胞の炎症を収める針治療を行いました。

治療後は、坐骨結節部への負荷も減り、楽に歩行できるとの事でしたが、姿勢保持ができないBさんは、立位の度に坐骨結節に負荷をかけ続けることになります。

一時的に負荷を減らす方法として、キネシオテーピングによる姿勢筋の補助と、歩行時に上体が起こせるようにノルディックポール(2本杖)の貸し出しを行いました。

そして、1日15分程度のリハビリメニューを組み、毎日家で汗を流して頂きました。

現在は、まだまだ継続的なケアが必要な状態ですが、痛みなく毎日を過ごされています。


以下、治療アンケートから転載です。

来院する前の症状についてご記入ください。

腰痛と右足にすじが引くというかお尻の骨が痛かった。(パーキンソン病に15年ぐらい前からかかっている)

当院に来院するまでに受けた治療、経過などをご記入ください。

市民病院の整形科で治療、薬(痛み止め)コルセットを装着

当院に来院したきっかけ、鍼灸治療に対するイメージをご記入ください。

知り合いの人の紹介。

針などいたいと思っていたけど何も感じなかった。

治療を受けての症状の変化等をご記入ください。

お尻の痛みが消えた

腰痛が大分良くなった

治療を受けての感想等、自由にご記入ください。

先生も一生懸命に患者のことを考えてくれていることが伝わってきます。

アンケート

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