はじめの一歩通信Vol17。
今回は、「はりの効果についてです。
一鍼灸院は、「はり」の専門治療院です。
当院の患者さんはもちろん、一般の方でも「はり治療」を受けたり、噂を聞き、「こんな効果がある」といった知識をお持ちの方も多いかと思います。
最近では、「副作用が少なく、即効性のある治療」として、テレビや雑誌などのメディアに取り上げられる事も多くなりました。
一般的に鍼灸の効果として知られているのが「腰痛」「肩こり」「膝痛」など、運動器の疾患が多いようです。しかし、鍼灸の効果として、WHO(世界保健機関)で認定をされているだけでも47疾患。内臓の疾患や精神疾患、皮膚疾患、妊婦・小児の疾患まで、幅広い疾患への有効性が認められています。
そんな「はり治療」ですが、鍼を体に刺す事で、どのような反応が起こり、作用していくのでしょうか?
脳内モルヒネの分泌
中枢神経の中に、内因性オピオイド(モルヒネ様物質)が放出される事が知られています。モルヒネは、癌などの疼痛治療などでも使う強力な鎮痛剤です。
モルヒネと似たような成分が鍼の刺激により体内に分泌されることで痛みが緩和されるのです。
もちろん、自分の体内から分泌される物質ですので、副作用などの心配はありません。
血行促進
鍼の刺激により、体の血行が良くなります。痛みの原因物質や老廃物質が排出される事による鎮痛や体の可動域の改善、全身の血行が良くなる事で、冷えや免疫力への作用が期待されます。
自律神経・ホルモンへの作用
鍼をする事により、自律神経の乱れが整えられたり、体にとって有用なホルモンが分泌をされる事が分かっています。
内臓疾患や女性特有の不定愁訴、精神疾患などの改善に繋がります。
免疫への作用
「はり」の刺入により、マクロファージや白血球などの免疫物質が増え、体の防御力や免疫機能が高まります。
経絡・ツボへの作用
「体の中の気の流れを整える」これが古来からの東洋医学での鍼の使い方です。
東洋医学的な診断に基づいて選んだツボに鍼をする事で、全身の気の流れを整え、体を本来の調子に戻していきます。
病院で治療方法のない方が鍼灸院を訪れる事が多いのもこういった理由からです。
このように、鍼灸によって改善する疾患・症状は非常に幅広く、古今東西、世界中の多くの方が治療の恩恵を受けています。まだまだ分からない事も多い鍼灸の効果ですが、「こんな症状に対してどうですか?」と、お気軽にご相談ください。
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