はじめの一歩通信

はじめの一歩通信vol.61〜再生医学と鍼〜

医学の進歩は目覚ましく、10年前では治せなかった病気が今は治療できるというケースが多々あります。我々鍼灸の世界も日々進歩を続けており、先月の学会では、鍼による再生医学が語られました。神経や骨、血管、筋、靭帯などが鍼刺激で再生され、臨床応用まで進んでいるケースもあるそうです。

 ケガや病気で末梢神経が損傷されると、その神経が担当する腕や足などの部位は働かなくなり、時間が経つ程に回復見込みが薄くなります。つまり、いかに早く神経を再生させるかがポイントとなるのですが、宝塚医療大学の井上教授らは、鍼に「直流電気」という特殊な電流を流すことで、神経再生が促進され、何件かの神経損傷(麻痺)患者に対して、有効な結果が得られたとの報告がありました。また、同じ「直流電流」刺激により、難治性の骨折の治癒促進の可能性が期待される研究結果があったり、腱癒合、骨格筋再生、血管新生などにも有効な報告がありました。この直流電流による再生医学を、われわれ現場レベルで実践するにはまだいくつかの課題がありますが、時が来たらぜひ実践したいと思います。

 「古くて新しい医学」最近の鍼灸に対するキーワーフレーズですが、鍼灸がなぜ効果があるのか?鍼灸治療による新しい可能性などのたくさんの報告があり、ワクワクする毎日です。鍼灸といえば、肩こり、腰痛くらいのイメージしかない方も多いかと思いますが、非常に幅広い分野での適応があり、研究と経験に基づいたエビデンスがあります。今後も最新の知見を現場で実践し、その気づきや症例を研究にフィードバックするという流れの中で臨床を行なっていきたいと思っています。

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