鍼と自然治癒力
はじめの一歩通信vol.28~鍼でカラダが生まれ変わる~
1 ファイル 4.21 MB
誰にでも転んで膝をすりむいたり、包丁で指を切るなどのケガの経験はあると思います。
傷口を観察していると血が止まり、かさぶたができ、肉が盛り上がり、傷口が閉じます。
そして忘れた頃には傷跡はきれいに無くなっています。
私達のカラダには「自己修復能力・自己治癒力」があり、ケガでも病気でもある程度は自分で治せる力があります。
そして常に古い細胞や傷ついた細胞が新しい細胞に入れ替わる「新陳代謝」を行っています。
鍼でカラダが生まれ変わる
鍼灸院でカラダに刺す鍼、実はこの受傷から修復、治癒、新陳代謝までの一連のサイクルを人為的に引き起こしているのです。
鍼を打つとごくごく微小な傷ができます。
傷ついた細胞を修復するために、
- 出血を抑える為に血小板が集まり、血管が収縮し出血が止まります。
- 「ここに傷がありますよ~」という警告物質(サイトカイン)が放出され、白血球などを集めます。
- 集まってきた白血球・好中球などが傷ついた細胞を破壊します。
- 破壊された細胞はマクロファージが貪食し取り除きます。
- 傷ついた部位へは新しい血管が伸び、新しい細胞が生まれます。
- 皮膚表面では傷口にコラーゲン、ヒアルロン酸などが集まり組織の修復を始めます。
鍼で傷がついたといってもほとんど感じず、目には見えない程度なのですが、鍼を体に刺す度にこういった一連の修復作業が進められているのです。
病を発症したカラダや痛みのある部位はこういった修復作業が正常に行われない事があったり、反応が非常に鈍い場合が多々あります。
このような場所に鍼を打つことでカラダが目覚め、動き出します。
不健康な細胞を、健康な細胞に置き換える作業が加速し、治癒力が促進され、病からの回復が促されるのです。
こういった修復能力の向上以外にも鍼の影響は様々です。
自律神経、血管・血流、ホルモン、筋膜、内蔵、精神、気…。
私達鍼灸師は適切な刺激方法と刺激部位を、古来からの伝承に加え、科学的な研究を続けています。
今年も一年、鍼のチカラで皆様の健康と、アクティブライフを応援します!
記事へのコメント