5月16~18日の3日間、愛媛県松山市にて、全日本鍼灸学会が開催されました。
この学会も今回で63回目を迎えました。
全国各地から、鍼灸師、医師、柔道整復師など、約1600名の東洋医学関係者が集まり、学び、研鑽をしました。
今大会は、開催地が四国ということもあり、「お灸」が大きなテーマのひとつでした。
四国といえば「お遍路さん」
「お遍路さん」といえばお接待のお灸が歴史的にも知られています。
過酷な巡礼による身体の痛みを治したり、また、予防法としても用いられてきました。
今大会でも様々なお灸についての研究発表や、活動報告がありました。
その中でも、僕が特に気になった活動報告がありました。
Moxafrica(モクサアフリカ)というチャリティ団体の活動です。
日本ではあまり知られていませんが、世界の結核病患者は非常に多く、
1時間に1000人近く、年間で約8,70万人が発病し、
1時間に160人近く、年間で約1,40万人が死亡しています。
結核は、感染すると抗生物質で菌をたたくのが主流の治療法です。
しかし、薬が効かない結核や、治療費用が払えない、薬が足りない、薬の副作用が強い等、治療は難航を極めています。
そこでモクサアフリカは、アフリカでの結核患者を助ける補助療法として、お灸による治療法を始めました。
これが非常に効果が高く、お灸をした患者は、副作用が軽く、早く回復したことがわかりました。
現在は、治療のほかに、永続的に活動が続けられる様に、現地でお灸の原料である「よもぎ」を育て、持続可能な支援を目指して活動をしているそうです。
今ではほとんどみられませんが、昔は日本でも、結核はお灸等で治した時代がありました。
昔から伝わる日本のお灸の技術が、海をこえ、世界を変える大きな力になることを非常に嬉しく思います。
私も何か出来ることをやりたいと思っています。
その他にも素晴らしい講演会が続き、非常に充実した学術大会となりました。
いつもは、名張のいなか町で臨床をしている私ですが、年に数回はこういった最先端の治療技術や、研究に触れることで、自分自身が成長できるのを感じます。
また復習を繰り返し、見てきたものを自分の技に変えていきたいと思います。
松山は歴史と文化が素晴らしい街でした。
美味しいお魚や料理、お酒もたくさん頂きました。
「研修会」の名の元に、しっかりと観光もさせて頂き、大満足の学会でした。
※日本最古の温泉「道後温泉」
※お世話になった方々とパチリ
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