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気象と体の関係
はじめの一歩通信vol.37〜天気とカラダの関係・気象病〜
今年の長梅雨で身体のバランスを崩された方がたくさん来院されています。
「関節や古傷がしくしくと痛んだ」「持病の耳鳴り、めまいが悪くなった」「頭痛や肩こりがひどくなった」など、訴えは人それぞれですが、気象が変化し、気圧や温度の急激な変化が起きるときに症状が悪くなるようです。
これは「気象病」や「天気痛」と呼ばれ、気象の急激な変化にカラダが対応できなくて起こる症状とされています。
低気圧の時の体の変化
普段は当たり前のようで何も感じていませんが、一般的な成人にかかる気圧(空気が押す力)は15トン程度もあると言われ、その圧に負けないように体の内側からも同じ力で押し返してバランスを保っています。
雨や台風、秋から冬に向かう季節など、気圧が下がると外から押される圧力が弱くなりますので、体の内側は膨張します(山の上でポテチの袋が膨らむイメージ)。
すると、血管やリンパ管が広がって血液やリンパの流れが悪くなり(ホースの先を潰すと水の勢いが強くなるが離すと弱くなる)、疲労やむくみ、冷えなどの症状が出やすくなるのです。
恒常性・ホメオシターシス
私達のカラダには、「恒常性」が備わっていて、天気や季節など外部環境が変化しても、自律神経やホルモン、血流などを調整して、カラダの中の環境を一定に保とうとする働きがあります。
低気圧で体が膨張し始めると、今度は引き締めようと交感神経が働きます。適度な働きだといいのですが、過剰に働くと痛みに敏感になったり、胃腸の働きが悪くなったりします。
この一連の膨張したり、引き締めたりのシーソーゲームで自律神経のバランスが狂い、ストレスを感じ、体調不良となっていくのです。
気象変化に負けない体へ!
以上の流れから、気象病とは、「対応する力の弱さ」ともいえるかと思います。
急激な気圧や気温の変化が起きても、うまく体を調節して対応できるようになるにはそれなりのトレーニングが必要です。
規則正しい生活リズム、運動習慣、睡眠、食生活に加え、物事への関心や感動、五感を使った生活なども自律神経を整えるには大事な要素です。
私は呼吸法や乾布摩擦、塩マッサージ、ランニングなどを取り入れています。人が気圧の変化を敏感に感じるのは「内耳」といわれています。内耳の血流をあげる耳や顎周囲への刺激も効果的です。
また、自分がどのタイミングで体調が崩れるのかを気圧や湿度、温度と共に日記をつけることで体調の変化を事前に予測できるようになり、不安も軽減されるでしょう。
自分の体と気象の関係を知り、うまく付き合って快適に夏を乗り切りましょう!
あなたは気象病?チェックリスト
※チェック項目が10個以上あると、気象病の可能性が高くなります。
- □ 天気の変化に敏感である
- □ もうすぐ雨が降るのが体調の変化によって察知できる
- □ 雨が降る前に眠気を催したり、めまいがしたりすることがある
- □ 雨が降る前に頭痛がすることがある
- □ 天気がいいときに気分がよくなり、悪いときに気分が沈む
- □ どちらかといえば乗り物酔いをしやすい
- □ 骨折など大きなケガをした箇所が時々痛む事がある
- □ 過去に交通事故などで首を痛めた事がある
- □ 初春、梅雨、初秋など、季節の変わり目で体調を崩しやすい
- □ 暑い時期にのぼせたり、寒い時期に体が冷えたりしやすい
- □ 台風のニュースが妙に気にかかる
- □ デスクワーク中心の仕事をしており、姿勢が前かがみになりがちである
- □ 片頭痛持ちである
- □ 几帳面な性格である
- □ ストレスが溜まりやすいほうだ。ストレスの多い生活を送っている
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