毎年行っている近畿ブロック青年部一泊研修会。
今回は、滋賀県近江八幡市での開催でした。
この研修会は、日本鍼灸師会近畿ブロックの青年部員が一泊で研修を行い、懇親と学びを深めようというものです。
昔は、草野球をしたり、バーベキューをしていたそうですが、世の流れもあってか、最近はホテルでの研修会が定番だそうです。
土曜日の仕事が終わって、一路近江八幡市へ。
昔ながらの城下町の佇まいが残る素敵な街並みです。
今回のスケジュールは、
1日目が青年部長会議→研修会→懇親会
2日目は針供養
の日程でした。
研修会は、天理大学体育学部の寺田先生に登壇頂き、
「スポーツ・身体活動と鍼治療」
のテーマでお話頂きました。
研究者で鍼灸師でもある寺田先生のお話は、鍼に電極を繋いで通電するヘルツ数の使い分けや円皮鍼のスポーツへの応用など、基礎的から応用までカバーされていて、面白かったです。
講義終了後は懇親会。
円卓を囲んでの中華コースでした。
普段お話をする機会のない先生方と臨床の話から、家族の話、立場や年代が同じ方が多いので、参考になる内容が多かったです。
普段は9時頃に就寝する私ですが、夜中の2時前まで頑張り、ホテルでバタンキュー。
ぐっすりと眠れました。
次の日、ふと目が覚めると時計は5:30を指しています。
無意識のうちに、カバンからランニングウエアと靴を取り出して、外に出ました。
3時間半しか寝ていませんが、意外と元気。
少し汗を流すつもりで走り出しました。
しばらく走ると、湿地帯が見えます。
地図で確認すると、西の湖という湖のようです。
「ここを1周回ろう!」
と張り切って走りました。
葦の群生する湖畔は朝もやがかかり、独特の落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
山々や家の形状など、三重県との違いが多く、いろんな風景に目を奪われながら、18kmの周回コースを走り終えることができました。
さすがに飲酒&睡眠不足で足は重かったです。
天然温泉の露天風呂で疲れを癒やした後は、2日目のスケジュール
「鍼供養」
に出かけました。
京都符などで、縫い針の供養をする習慣があるのは知っていましたが、鍼灸の鍼の供養は初めての経験でした。
私たち鍼灸師にとっては、最重要な仕事道具であり、相棒である「鍼」。
1回使うと廃棄してしまうのですが、その鍼に感謝し、供養しようという趣旨で、10数年前から滋賀県で行われていたようです。
会場は、西国三十三ヶ所でもある「長命寺」のすぐ近くにある西方寺。
琵琶湖湖畔の素敵なお寺です。
小さな供養塔が建ってました。
自分たちが使用した廃鍼を収め、供養して頂きました。
一般的に「供養」というと、亡き人の冥福を祈って行う行為ですが、功徳を積み、その功徳を故人に向けて届けるというのが、本来の供養の形のようです。
昔の先生方の話を聞くと、鍼は職人が鍼灸師の好みに合った形で作り、診療後に1本づつ針先を研ぎ直し、滅菌して再使用を繰り返していたそうです。
今は衛生上の観点から殆どが使い捨てで毎日数10~数100本の鍼を使用し、廃棄していますが、1本1本心をこめて大切に使用し、感謝の念を持って廃棄したいと思いました。
この鍼供養の習慣は、私個人もしくは、三重県でも行いたい思います。
研修会終了後は、家族と合流し、近江八幡の観光に出かけました。
八幡堀で屋形船にのったり、美味しい会食や食べ歩きで時間を過ごしました。
今回の研修会を企画、運営していただいた滋賀県のみなさんは、近江商人の血を引き継いでいるのか気遣いが非常に上手で、見習うことが多々あり、こちらの学びも次に繋げていきたいです。
記事へのコメント