鵞足筋の牽引による付着部痛
症状と原因
膝の内側には、股関節-膝-下腿に繋がる筋肉の腱が集中しています。その中でも「縫工筋」「薄筋」「半腱様筋」の腱の集まりを鵞足(ガチョウの足ひれのようにみえませんか?)と呼んでいます。
鵞足炎はこれらの腱がこすれて炎症を起こし、痛みを引き起こす症状です。
膝の曲げ伸ばし、方向転換で捻る動きをした時、鵞足部を押したとき等に痛みがでます。
鵞足炎の原因としては、X脚(内また)、回内足(かかとが内側に傾いている)、膝の内側に負荷のかかる運動、足に合わない靴などが考えられます。
診断と治療
姿勢と、痛みの出方で判断をします。
鵞足部の圧痛や鵞足筋の緊張があり、歩き方や立ち方、最初に痛みが出た時の状況を判断材料にしています。
半月板の損傷や、変形性膝関節症なども同じような場所に痛みが出ますので、それらの検査も併せて行う必要があります。
基本的には使い過ぎによる炎症ですので、運動を控え、炎症が治まると数週間で自然と治る症状です。
鍼灸治療を併せて行うと、より早く症状が無くなります。
鵞足炎は、姿勢やカラダの使い方が原因で起こる事が殆どですので、一度治っても再発しやすく、症状を取るだけでなく根本的に治すには、鵞足筋に負担がかからないカラダの使い方や姿勢を変えるトレーニングが必要です。
鵞足炎の症例(18歳学生)
バスケットボール部に所属し、毎日練習に励んでいたが、走ったりターンした時に膝の内側が痛くなり、練習も満足に出来ない。シップをしながら練習を続けていたが中々治らない為来院した。
歩いた時に膝蓋骨(膝のお皿)が内側を向いているX脚で鵞足筋の緊張も強く出ていました。
鍼灸治療で筋肉を緩め、大腿の筋肉のストレッチや股関節の角度を変えるトレーニング、足底板の調整を行い、走り方のフォームの改善も行いました。
2回の治療でほぼ痛みが無く練習に参加出来るようになりました。
鵞足炎は、カラダの使い方を変えるだけで良くなる事が多い症状です。
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