すっかり秋めいてきた今日この頃です。
過ごしやすい日が続きますが、冷え症を持つみなさんには辛い時期の到来です。
冷えに対して、個々で様々な対策をされているかと思いますが効果の程はいかがでしょうか?
冷え症といっても様々なタイプがあり、そのタイプによって対策が変わってきます。
冷えのタイプ
冷え症のタイプは大きく分けて2つのタイプがあります。
皮膚温度低下タイプと皮膚温度上昇タイプです。
皮膚温度低下タイプとは、末梢血管収縮型、甲状腺機能低下型、内蔵温度低下型、循環不良型、セルライト型などに分類されます。(全国冷え症研究所による)。
末梢血管収縮型冷え症
少しの寒冷刺激で末梢の血管が過度に収縮し、冷えを感じるタイプです。
血管の柔軟性の低下や、筋肉や関節の働きが悪く、末梢血管の血液が通常の人と比べて少ししか流れていないので少しの冷たさや寒さで冷えを感じるタイプです。
内蔵温度低下型冷え症
このタイプの方には、下腹部の鬱血(うっけつ)があり、下腹部を中心に血液のめぐりが悪くなる傾向にあるようです。
上腹部に比べて下腹部の温度が低いのが特徴で、主に腰から下に強い冷えを感じ、逆に上半身はのぼせる方もいます。
婦人科系疾患や腎臓、泌尿器系に異常をきたしやすいタイプです。
甲状腺機能低下型冷え症
甲状腺とは、喉仏の下にある甲状腺ホルモンを分泌する部分です。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝を促進する作用があり、低下すると冷えを感じるだけでなく、むくみ、太りやすい、便秘、肌荒れ、無気力、徐脈などが現れます。
気になる方は一度病院で検査をうけてみてはいかがでしょうか?
循環不良型冷え症
このタイプの方は、貧血や血液の酸性化による循環不良により、末梢まで酸素や栄養素が運ばれないために熱が作りにくく、冷えを感じます。
静電気を帯電しやすい体質の方や、電磁波(パソコン、スマホ、高圧線など)の影響を受けやすい環境の方に多く、静電気対策や電磁波環境を調べることをおすすめします。
セルライト型冷え症
美容の敵セルライト。お尻やお腹の皮下にボコボコできる脂肪細胞です。
一度できてしまうととれにくいセルライトですが、この脂肪の塊が冷えに繋がる場合もありますので要チェックです。
次世代型冷え症
上記の皮膚温度が低下する冷え症とは違い、足先やお腹などの体表温度を計っても温かいケースがあります。
これは、風邪を引いているときの様に、末梢血管が拡張してどんどん熱を放出しようとするような現象です。
必要もないのに末梢からどんどん熱が外に出てしまうと当然体の熱は減り、体表面は温かくても中心部は冷えを感じるようになります。
冷え症の対策
冷えのタイプによって対策は異なりますが、オーソドックスな対策をご紹介します。
お灸
お灸はどんなタイプの冷え症にも有効です。
つぼへの温熱刺激により、お灸をした場所が温まるだけでなく、自律神経の安定、内臓温度の上昇、ホルモンバランスの安定などにより、全身の血流が増え、「冷え」が改善されます。
お灸は冷えというひとつの症状への対策でなく、体全体をよくする過程で冷えも解消されていくので、ぜひ取り入れて頂きたい方法です。
お灸の方法や、つぼの場所は鍼灸院にお問い合わせください。
食事
食生活の乱れ、勘違いにより冷えを感じる方も多い様です。
食事は体にとっての燃料であり、肥料のようなものです。
「これを食べれば冷えが治る」という特効薬的な食材はありません。
基本はタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル、繊維質などバランスの良い食事。
その上で、体を冷やす食材(生野菜、夏野菜、南国フルーツ、コーヒー、小麦、白砂糖、牛乳、緑茶など)と温める食材(根菜類、種実類、発酵食品、薬味野菜、豆類など)を意識した食生活を送ってみてはいかがでしょうか?
冷えを訴える方は食が細く、偏った食生活の方が多い印象があります。
和食中心の食事で朝、昼、晩をしっかりと食べるを実践してから、細い栄養素や食べ方などを考えて見てはいかがでしょうか?
生姜みそ汁
決まった食材は無いと先に書きましたが、生姜みそ汁は体を温める代名詞とも言えるお料理でしょう。
お野菜たっぷりのみそ汁にすりおろした生姜を入れて頂くと、体の奥の方からジワーッと温まってくるのがわかります。
ぜひお試しください。
服装
冷え症の方は、重ね着をしたり、厚手の服で体温をあげようと努力されています。
しかし、重ね着による皮膚の圧迫や、汗が皮膚面に留まる、静電気が発生する服装などには注意が必要です。
むやみに重ね着をするのではなく、末梢の足首や手首、首元、お腹などを重点に温める工夫や皮膚に近いところには、絹や木綿などの自然素材で静電気を防ぐ対策も必要です。
足の指先は汗が溜まりやすいので、5本指ソックスがおすすめです。
お肌の近くの素材、温かい空気層をつくる素材、風を通さない素材などをうまく組み合わせて服装をアレンジしましょう。
ウオーキング
ウォーキングは全身の代謝を上げて、体温を上げる良い方法です。
ただ歩くだけでなく、早歩きとゆっくり歩きを繰り返すインターバル速歩がおすすめです。
3分間ゆっくり歩いて次の3分間を少し息が弾むくらいのスピードで歩くを5分繰り返します。
週3~4回を目標にがんばりましょう!
筋肉トレーニング
体の熱産生で大きな役割をはたす筋肉。
冷え症でお困りの方の筋肉は、貧弱な方が多い印象です。
体が冷えるからと服を着込んだり、カイロで温めたりするのもいいですが、自身の体に備わっているストーブを燃やして熱を作る努力をしましょう。
ダンベルなどハードなトレーニングでなくても、座っている事が多い方はできるだけ立って過ごす、できればじっと立っているのでなく体重を左右に移動させながらゆらゆら立つと下肢の筋肉が働きます。
もう少しできそうならスクワットやランジウォーキングなど、少しづつ負荷を上げていくといいと思います。
足指を鍛える
足の指でグーチョキパーができますか?
意外なことですが、足の指をしっかりと使って歩いたり立てている人は少ないです。
踵や土踏まずのあたりに重心があり、指はいつも浮いている。
使われないので血管が衰えて血流が悪くなり、冷えに繋がります。
- 足の指と手で握手をしてぐるぐる回す
- グーチョクパーなどの動きをする
- つま先立ち、かかと立ちをする
- はだしで凸凹のところを歩く
- 足でボールなどを掴む練習をする
など、しっかりと使える足にしていきましょう。
塩マッサージ
塩は粗塩を使います。
塩をつけて足指などをマッサージすることで発汗が促されて血流が増加します。
また、塩を使ってマッサージをすると、温かさの持続時間が長くなるようです。
電磁波対策
冷え症の方の中には、電磁波や静電気に対する感受性が強い方が多いようです。
静電気が体内に多く帯電すると血流が悪化し、自律神経のバランスが崩れるとされています。
肌に触れる素材を自然素材のものにしたり、乾燥肌の改善、食生活の改善などに取り組みましょう。
また、電磁波による体への影響も考慮しましょう。
電磁波には低周波と高周波があり、家電や電線などから発せられる低周波、スマホなどの通信機器などから発せられる高周波、それぞれの対策があります。
寒いからと電気毛布をつけっぱなしで寝たり、こたつで寝ている方は電磁波の影響に注意が必要です。
ゆたんぽ
湯たんぽは熱量が非常に高く(一般的な電気毛布の2倍以上)、体を温めるのには効果的な道具です。
お腹や太もも、お尻など大きな筋肉を温めると効率的です。
就寝時も足元などに置いておくと布団全体が温かくなりますし、徐々に温度が下がる事で深い睡眠にも繋がります。
最近では素材や形状もさまざまな商品が出ています。
生活にあった商品をさがしてご使用下さい。
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