研修会・学術資料

災害支援と鍼灸

昨日は三重・岐阜・愛知の3県が合同で研修会を行う3県合同研修会でした。

今回の研修会のテーマは、「災害支援と鍼灸」

東日本大震災・女川にて
東日本大震災・女川にて

一般の方には、「地震や津波、台風などの災害時に鍼灸師が何をするの?」といった印象を持たれるかもしれませんが、阪神淡路大震災以降(もしかするともっと以前から)、鍼灸師は被災地での活動を継続してきました。

災害が起こり、自宅や施設などに住めなくなると、避難所生活を余儀なくされます。

家が流されたり、人が亡くなったり、ただでさえ肉体、精神的な負担が大きなできごとに遭遇した後に待っているのは、不自由な避難所暮らしです。

避難所での鍼灸スペース
避難所での鍼灸スペース
  • 固い布団ではなかなか疲れが取れずあちこちが痛くなります。
  • 自宅や会社に被害があればその片付けで慣れない肉体労働により、筋肉痛、腰痛などが起きます。
  • 心配事が日に日に増えていき、眠れない夜を過ごす方もいます。
  • 栄養の偏った食事は内蔵に負担をかけ、疲労を倍増させます。
  • 一日中狭い場所で座りっぱなし、車中泊などはエコノミー症候群のリスクが高まります。

まだまだありますが、こういった病気やケガではないけれど、肉体的・精神的に負担が増え、悲鳴を上げているカラダをケアするのに最適なのは鍼灸治療ではないでしょうか?

私達の鍼灸治療は、大掛かりな診断機器や医療器具、薬がなくても、ポケットに入る鍼、もぐさがあれば(なにも無くても)すぐに治療が開始できます。

仮設テントの中の鍼灸スペース
仮設テントの中の鍼灸スペース

そして、守備範囲は整形外科疾患、内科疾患、精神疾患、婦人科疾患、小児科疾患、眼科、耳鼻科、呼吸器…。

と多岐にわたります。

私も東日本大震災を始め、いくつかの被災地に足を運び鍼灸師としての活動や泥出しなどのボランティアを行ってきました。

被災地での避難所や仮設住宅では殆どの方が私達のケアの対象者で、大忙しの日々を過ごしました。

今回、改めて災害医療についての講義を受け、私に足りなかったものがいくつか見えてきました。2017-11-19 11.02.04

災害現場に行く最低限のマナーとして、「自分の事は自分で責任を持つ」という事があります。

宿泊、食事、安全、燃料、装備など、ただでさえ物資の足りない被災地に迷惑をかけないようにしっかり準備をして行く。

そのあたりは気をつけていたのですが、多職種との連携や、引き継ぎの意識は薄かったです。

避難所には、私達鍼灸師だけでなく、医療関係者、介護関係者、行政関係者、メディア、地域役員、ボランティアなど、様々な方がそれぞれの立場で動いています。

「自分は鍼灸治療をするんだ!」

と意気込んでみても本当に必要な支援は他の形であったり、周囲の関係者が理解できない中で、自分たちだけの自己満足で鍼治療を行っている可能性もあります。

確かに災害現場での鍼灸治療の有効性はあるのだと思いますが、災害が起こってからそれを声高に主張するのではなく、平時から鍼灸師がそれぞれの地域で自分の役割を認識し、広めることが第一歩なのだと思います。

今回の研修会参加者は各県の理事の方がメインで、もし近畿地方に災害が起こったら具体的にどうするといった話がされました。

誰がメインになって動くのか?被害状況の伝え方や支援方法など、様々な事柄を確認できました。

現在でも、熊本地震による被災者への支援活動が続けられています。

下記のHPで確認ができます。

http://shinkyu-net.jp/archives/category/news/saigai

 

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